生ビールと普通のビールの違いとは?パスチャライゼーション

ラガービール

生ビールとは

こんばんは、ポチです。

例のコロナウイスルの影響で、居酒屋に行くことがめっきり減ってしまいました。早くコロナが消息して、居酒屋でみんなでワイワイやりたいですね。それになんといっても、やっぱり、居酒屋で頼む生ビールは美味しいです!

ところで、生ビールの「生」の意味ってご存知ですか?

漠然と居酒屋で出てくるビールが生ビールで、缶や瓶に入っているのは生でないビールと思っている方、意外に多いんじゃないでしょうか。

生ビールとはパスチャライゼーション(pasteurization,低温熱殺菌)を行ってないビールのことで、缶ビールでも、瓶ビールでもパスチャライゼーションを行っていれば、れっきとした生ビールなのです。

現に、最近「アサヒ生ビール」ってまんまの名前の「缶ビール」が復活販売され、品薄でニュースにもなっていましたよね。

このように、最近では缶でも生ビールがたくさん出ており、逆に生でない、つまりパスチャライゼーションしていないビールを探すほうが難しいくらいです。

パスチャライゼーション

パスチャライゼーションは、フランスの有名な生物学者ルイ・パスツールからとった言葉です。ルイ・パスツール低温殺菌以外にも、ワクチンの開発にも貢献した人で、現在ではその名を冠したパスツール研究所があるぐらい。

17世紀、当時のフランスでは、ワインの腐敗に苦しんでおり、パスツールのもとへ、ワインの腐敗を防止する方法を探してほしいと依頼がきました。パスツールは、日夜問わず研究に打ち込み、ワインの腐敗には、微生物が関与していることを突き止めるのです。つまり、この微生物の活動を抑制するために、熱処理をすればよいのではないかと考えたのです。しかし、高温で熱処理すれば、確かに微生物は死滅しますが、同時にワインのアルコールは蒸発し、風味も落ちてしまします。そこで、考えたのが、100℃以下の低温で殺菌する方法です。低温で殺菌することによって、ワインの風味を損なうことなく、殺菌することを実現し、依頼この殺菌法をパスチャライゼーションと呼んでいるわけなんです。

フランスワイン

その後、パスチャライゼーションはワイン以外の食品にも、数多く用いられるようになりました。代表的な例で言うと牛乳です。牛乳は栄養価が高いため、様々な菌が繁殖しやすい飲み物です。牛乳が特に子供に対して安全に飲めるようになったのは、実は結構最近の話なんです。

そしてこのような他の例の1つがビールなんです。つまり、低温殺菌することによって、風味をほとんど変えることなく、消費期限を延ばしたビールが生でないビールなのです。

キリンラガー生ビール化の影響

日本で缶ビールや瓶ビールが一般に流通し始めたころは、パスチャライゼーションが行われた、いわゆる生でないビールがほとんどでした。しかし、近年の醸造技術や衛生管理技術の進歩によって、生ビールの缶ビールを造ることが、容易になってきました。そんな生の缶ビールを一気に広めた商品が、1987年アサヒビールからリリースされます。

それが皆さんご存知、アサヒスーパードライなのです。

皆さんご存知、アサヒスーパードライ

すっきりして、切れ味の良いスーパードライは生ビールのスタイルと相性が非常によく、大ヒット!当時売上1位のキリンビールのシェアをガンガン奪っていきます。詳細はアサヒ生ビールで!

これに対し、キリンも生の缶ビールを発売します。これも皆さんご存知、キリン一番搾りなのです。つまりキリンは、生ビールである一番搾りと、生ビールでない、パスチャライゼーションをした、キリンラガーの2本柱で迎え打つ作戦に出たのです。

当時のアサヒスーパードライの人気はすさまじく、キリンは劣勢に立たされますが、それでも、キリンとアサヒのシェアが逆転するまでには、至りませんでしたし、そんなことは起こらないだろうと考えられていました。

しかし、そんな中、キリンビールは痛恨の経営判断ミスを犯し、自ら墓穴を掘ることになるのです。

これこそ「キリンラガーの生ビール化」なのです!

生ビールであるアサヒスーパードライの勢いに焦ったキリンは、生ビールの一番搾りのリリースだけでなく、大黒柱キリンラガーまで生ビールに変更して販売しだしたのです。

このことに反発したのが、長年キリンラガーをこよなく愛飲してきた、コアな顧客層でした。

「なんて余計な事してくれたんだ、いつものラガーでいいんだよ」

「フレッシュさなんていいんだよ、いつもの味のラガーが飲みたいんだよ」

そんな、声が多方面より上がり、キリンは長年ラガーを飲み支え続けてきた、顧客からも愛想をつかされることになりました。

そして、キリンビールは長年死守してきた、国内シェア1位の座をアサヒビールに明け渡すことになったのです。

いやぁ、ホントキリンビール史上、最大の痛恨事ですね。

現行のキリンラガービール。生ビールです!

流れを簡単に整理すると下記になります。

1987年 アサヒスーパードライ販売

1990年 キリン一番搾り販売

1996年 キリンラガー 生ビール化

1998年 アサヒビール国内シェア1位奪取

パスチャライゼーションは上で言いましたが、低温処理によって、ほとんど風味を変化させずに、殺菌する画期的な殺菌法です。しかし、パスチャライゼーションによる、わずかな違いを、長年キリンラガーを愛飲してきた人々は見逃さなかった、と言うより見逃せなかった。いや、逆にすぐに分かって、とても気になってしまったのでしょう。そんなコアなファンのことに気が回らなかったことが、キリンの敗因の1つではないでしょうか。

ラガーとクラシックラガー

ところで、生ビールと生でないビール、つまりパスチャライゼーション有り無しで味わいは、どれくらい違うものなのでしょうか? ラガーを飲み続けていない、普通の人でもわかるものなのでしょうか?気になりませんか?そんな方にお勧めなのが、キリンのラガーとクラシックラガーの飲み比べです。

キリンのラインナップの中にラガー以外にクラシックラガーなるものがあります。まぁ、昔のラガーの味を再現しただけのラガーだろって思いますよね。

そんなふうに考えていた時期がポチにもありました笑。(刃牙風にしたの気づいてくれると嬉しいな)

でも、これ、昔のラガー=パスチャライゼーションしたキリンラガーなんですよ。つまり生ビールでないキリンラガーになるのです。もちろん、微妙なレシピの違いなどはあるかもしれませんが、現行のラガーとクラシックラガーの最も異なる点は、「生か生でないか」なのです。

現行ラガーとクラシックラガーを飲み比べること、ダイレクトにパスチャライゼーションによる風味の微妙な変化を比べることになるわけです。

と言うことでポチ、飲み比べました。

左 キリンクラシックラガー、右 キリンラガー

キリンラガー

色はきれいなゴールド、クラシックラガーと比較するとわずかに薄い。

香りはこれこそ日本のビール(日本のピルスナー)って感じで、麦芽の中に草木系のニアンスが少しあります。

クラシックラガーより、フレッシュ感があり、クリアで、すっきりしています。炭酸も強く感じます。


キリンクラシックラガー

色はきれいなゴールド

香りは麦のニアンス、麦汁感?

味わいは、普通のキリンラガーより滑らかな舌触りで、苦みが少し強く感じます。落ち着いた味わいです。


ポチは基本的に、フレッシュ感のある生ビールの方が好みですが、ことキリンラガーに関しては、パスチャライゼーションした、クラシックラガーの方が美味しく感じました。と言うのも、このビールのキャラクターでフレッシュで爽やかな感じはいらないんじゃないでしょうか。

フレッシュな感じの生ビール飲みたいのであれば、それこそ一番搾りを飲めばいいわけで・・・いや、むしろスーパードライでいいんじゃないですか?

皆さんもよければ、ラガーVSクラシックラガーの飲み比べ試してください。

キリンラガーの生ビール化に激怒した、コアなラガー愛飲者の気持ち、少し分かるかもしれませんよ。いや、かなり分かります笑

クラシックラガーとラガー、あなたはどちらが好みですか?

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