スタッグス・リープ  パリスの審判 (ギリシア神話編)

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このブログでよくおすすめしているのが、コストパフォーマンスの高いニューワールドワインです。やっぱり安くて美味しいワインに出会うことが、ワインライフの第一歩だと思います。そんなニューワールドワインとして、チリワインと同様世界的に有名なのがアメリカのカリフォルニアワインです!

カリフォルニアワインを語るにおいて、避けては通れないのが「パリスの審判」です。このお話はニューワールドワインのみならず、世界のワインのターニングポイントとなったからです。

後に「パリスの審判」と呼ばれるこのイベントがあるまで、ニューワールドはコストパフォーマンスの高いワインは作れるが、高級ワインを造ることは不可能であると考えられたからです。つまり、1本数万円以上し、それに見合っただけの味わいのワインは、フランスをはじめとするオールドワールドでのみ、(もしくはフランスのみ)可能であると考えられていたからです。

パリスの審判とは

パリで行われた、ワインのブラインドティスティング会での大事件のことです。パリの綴りは「Paris」で発音も「パリス」となるのでパリスの審判と呼ばれています。

「日本なんだからパリの審判でよくね?」と思うでしょう。でもこの事件のネーミング、ギリシア神話の有名な逸話「パリスの審判」からとっているので日本でも「パリスの審判」と呼ばれます。そしてギリシア神話の場合、パリスは人物の名前であって、都市の名前ではありません。せっかくですので、2つのパリスの審判についてみていきましょう。

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パリスの審判(ギリシア神話編)

まず、ギリシア神話のパリスの審判についてです。3人の女神ヘラ、アテナ、アプロディーテの誰が一番美人か、パリスと言う羊飼いが

審判するお話ですが、後のトロイア戦争の原因になります。まず、重要な登場人物について説明します、

ヘラ、大神ゼウスの妃、超性悪女!サソリを放ってオリオン(オリオン座で有名な英雄)を毒殺したり、ヘラクレスをいじめまくったり、常に何かごたごたを巻き起こしています。

アテナ、知性と戦いの女神。アテナの庇護を受けた都市(アクロポリス)がアテナイであり、現在ギリシアの首都アテネのことです。この女神アテナに逆らうと配下の者からペガサス流星拳を食らう恐れがあります。

アプロディーテ、美の女神ヴィーナスのこと(厳密には違うらしい)でっかい貝に乗ってる、とっても美人な女神。子供がキューピットでその矢に射られると、とても、めんどくさいことになります。

ゼウス、全知全能の神でギリシア神話最高神!今回の審判をただの羊飼いのパリスに任す、痛恨のミスジャッジをしてしまう。妻は上記したヘラであり、浮気するたびにヘラを激怒させ、新たな問題を起こしている。また、気に入った男の子(ガニメデ)を連れ去って、お酌をさせるなどしている、恐妻家かつ変態である。

パリス

イデ山と言うところで羊飼いをしている青年。実はトロイア国王の息子。今回上記3女神のうち誰が一番美しいしいか、判断(審判)するようにと、ゼウスから命じられる。果たして、パリスはだれを選んだのか?

黄金の林檎はだれの手に?

さて、物語の発端ですが、それはテティスとぺーレウスの結婚式です。(「誰それ?」って思った方、無視してくれてOKです。誰か知らない方の結婚式だと思ってもらったほうが、話が分かりやすいです。)この結婚式にはすべての神々が招かれましたが、ただ一人争いの女神エリスだけは呼ばれませんでした。いくら争いの女神だからと言ってもかわいそうですね。こんなひどい判断を下したのもなんと、最高神で全知全能の神ゼウスです。そしてこれが、パリスの審判に、さらにその後にあるトロイア戦争につながってしまう1つ目の判断ミスです。

結婚式に呼ばれないことに腹を立てた、争いの女神エリスは腹いせに「一番美しい女神へ」と書かれた黄金の林檎を結婚式の会場に投げ入れたのです。このエリスの作戦はプライドの高い女神たちを争わすのに、てきめん!ヘラ、アテネ、アプロディーテが自分こそがこの黄金の林檎にふさわしい、つまり自分が一番美しいと主張し争いだしたのです。さすが争いの女神エリス!諍いを起こさずにはいられないのですね!そら、結婚式呼んでもらえないわ

3人の女神はお互い引っ込みがつかず、だれが一番黄金の林檎にふさわしいか(1番美しいか)決着をつけるため、最高神のゼウスに判断するように迫ったのです。ここでゼウスは、日和ってしまいました。誰か一人を選ぶと後々、とってーもめんどくさそうなので、この判断をイデ山で羊飼いをしているパリスに任せることにしました。つまりただの羊飼いであるパリスが誰が一番美しいか審判することになったんです。そしてこれまたゼウス痛恨の判断ミスで、後のトロイア戦争の火種となるのです。っていうか、なんでこんな大事なこと羊飼いなんかに任せるのでしょうか?ことごとく悪い選択してしまっています。 全知全能の神ゼウス、実はかなり無能な奴です。

 

審判を下すことになったパリスですが、それぞれの女神たちが、パリスに対して、買収工作と裏取引を持ち掛けます、以下のような提案をします。

ヘラ 私を選びなさい。さすれば富と権力(国王の座につける)ようにしてあげるわ。

アテネ 私を得たんだ暁には、戦場での誉、つまり戦争しても必ず勝利できるようにしてあげるわ。

アプロディーテ 私を選んだら、世界で最も美しい女性と結婚できるようにしてあげるわ。

いやーそれぞれの女神の意地の悪さ性格や得意分野が良く出てますね!

そして、パリスが選んだのが、なんとアプロディーテでした。つまり世界で最も美しい女性と結婚することでした!(結局それかい笑)

このようにして、アプロディーテが黄金の林檎を手にし、美の女神の面目躍如となったとのことです。

ちなみに、後の起こる、トロイア戦争では、アプロディーテはパリスの味方をするのですが、ヘラとアテネ、この審判の結果を根に持って、パリスの敵に回るのでした。もう、なんて言うか、女神も女神で結構根性悪いです。

しかし、ギリシア神話に出てくる神々って、なんで、よりによってこんなにクズばかりなんでしょうか?

ルーベンスの「パリスの審判」 右がアテネ、メデューサの盾が目印ですね。真ん中がアプロディーテ、右がヘラ、足元の孔雀がヘラのシンボルです。黄金の林檎を持っていいるのがパリスになります。そう言えば、ネロとパトラッシュが最後に教会で見た絵もルーベンスの作品でしたね。

この後の話が気になる方や、さらに詳しく知りたい方に、おすすめなのは里中満智子の漫画ギリシア神話7巻です。漫画ですのでとても読みやすく、分かりやすいです。ワイン好きな方でワイン編のパリスの審判を知っている方多いですが、一方でギリシア神話のパリスの審判をご存じの方は少ないと思います。ちょっとした教養として、知っているとよいと思いますよ。 今日はワインの話でなく、ギリシア神話の話になってしまいましたが、次回はパリスの審判ワイン編です。

ギリシア神話 第7巻にパリスの審判があります。


せっかくなので、全巻セットでいかがでしょうか


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